さよならカラスちゃん&本日の画像

S-61Aカラスちゃんファイナルの記念行

てなわけで、本日もまた久々の当日日記でございます。
ここしばらく、忙しかったのとPCの不調とでなかなか思うように日記を書けずにいたのですが、今日こればっかりは、書かないわけにはいかないし、どうにかPCのご機嫌もよさげなのでエントリできますた。


さて。
ご存じの方も非常に多いかと思うのですが。
南極観測のお手伝いが主要任務であった(と思うw 他にもいろいろお仕事していたようですが)「カラスちゃん」ことS−61Aヘリコプターがこの夏をもって運用が終了となり、そのうち2機は今月中に用廃(どうやら館山基地内でスクラップ)が決定しており、昨日は「ちびヤン」にあわせて「さよならS−61A」という記念式典等も行われておりました。


カラスちゃん。
南極でも目立つようにとエンジングレーと呼ばれる黒っぽい色で塗装されてることからこの愛称がついたとされておりますが。
過去に何度か当サイト内でも述べてますが、カラスちゃんは「砕氷艦南極観測船)しらせ」に搭載されているため、SH等のように海自航空群ではなく、しらせ飛行科として独立した航空部隊(と呼んでいいのかなぁ?)の子であり、整備やその他の管理は館山基地の101空の一部を間借りする形で運用されておりました(注意:本年3月26日の部隊改編以前の話です。その後、具体的な日程は把握していませんが21群隷下という扱いになったようです)。


よく広報等で使われる「しらせ&カラス」の画像は84号機のものが多かったりしますが、84号機ちゃんはかなり前に用廃されており、ここ数年は85&86&87号機の3機だけで運用されていたようなのですが。
・・・すみません。私が海自・・・の中でも回転翼翼に興味を持つようになったのが最近なので、あんまり詳しくないのです。
とにかく。
実はこの最後の3羽カラスは、どれも「カラス」だけど、どれも「S−61A」ではないのですよ。


難しい話は私もよくわからないので、簡単にに言ってしまいますと。
85号機はS−61Aのオリジナルなのですが、86号機ちゃんと87号機ちゃんは、SH−60Jの前に使われていたタイプの哨戒機「HSS−2B」の転用改良型の機体なんだそうで。
だからよく見ると、スポンソンやらコクピット内のパネルやら、テールやらカーゴスリング用のミラーやら、エアダクト(?)やら、細々と違いがあるのだそうです。

んで、あと分かりやすい違いとして。
カラスちゃんはコクピットの後ろの窓のところにペンギンのイラストが描かれてますが、そのペンギンもそれぞれ違うんですよ。
蝶ネクタイしてない子・赤いのしてる子・黒いのの子・・・と。
これは知ってるとかなりの「通」と言われるんだそうです☆
昨日のちびヤンでいろいろ撮られた方は、よく観察してみてくださいw


さておき。
そのカラスちゃんの中でも、86−87号機ちゃんが先(5月29日付)で除籍になる予定だそうで、今日、最後の「カラス3機編成でのフライト」を行うということで、昨日に引き続き館山基地にお邪魔させていただいてきたわけです。


しかし。
実は「さよならS−61A」って、厳密には看板に偽りアリなわけで・・・さっきダラダラ説明を書いたのはこのためだったんですが・・・先にいなくなるのは、元2Bの子なんですよね。
それもちょっと不思議。

すでに2Bは数年前に運用が終了されていて、確かその最後の地は大湊だったんですよね。館山は回転翼機の基地としては最先端の部隊なので、早々にいなくなってたそうですし。
式典のお誘いをいただいていたものの、距離がありすぎて、当時はそこまでヘリに興味もなかったので行かないまま、結局ロクに2Bの活躍を見ないままで終わってしまったので、後に非常に悔やまれたのですが。
それをこの館山の地で見届けられるってのはある意味、数年ぶりの念願が叶ったことにもなるのですが。
なんか、いろいろ不思議な感情がせめぎあってますです。


ああ。さておかずに脱線してしまったわ。
とにかく。
昨日とは打って変わって朝から晴れ渡った空・・・と言いたかったんですが、離陸を予定されていた1000の段階では、どういうわけか曇っていて。
青空の下で3機揃ったカラスちゃんを撮りたいという野望は夢と潰えるかと思っていたのですが、時間が経つにつれてどんどん雲が薄れていき、想いは天に通じたみたい。
基地モニターの担当窓口に当たる広報室の方々の手配により、普段は入れてもらえないステキなところからステキな角度で撮らせていただく事ができ・・・本当にラッキーでした。
(皆様、ありがとうございました! いい時期にモニターになれて、本当によかったです。)


カラスちゃんは3機が揃って飛び、それを60Kが追いかけながらフォトミッションをこなすということだったのですが・・・富士山とからむショットって撮れたのかなぁ?
1度着陸し駐機スポットに戻ってから再度また飛んでゆき、その間を縫うように通常の訓練中であるらしいUHやSH−60Kが飛んでおりました。
今のところ実用機では最新鋭の機種である60Kと、最古(?)の機種であるカラスちゃんズと、新顔のUHちゃんが1枚におさまるように飛んでる風景って・・・・今日がきっと最初で最後。
めっちゃ豪華で優雅なひと時でもありました。


やがて3機が戻ってくると、タキシングを経て4格納庫の前の駐機スポットに停まり・・・・やがてローターの回転が止まり・・・・
86号機ちゃんと87号機ちゃんは最後のフライトを終えたのでした。
あ〜。
なんかもう、むやみに感動ですよ!
感慨深いったらありゃしない!


それから広報の兄さんズに案内されてカラスの前に移動すると、これから簡単な儀式(?)をするという。
そうこうしているうちに、白(制服)や青(作業服)や緑(フライトスーツ)の人たちが集まってきて、カラスちゃんの前に整列。
若干南国テイスト漂うお花のリースを捧げ、銘酒「館空」を捧げて、カラスちゃんズのこれまでの偉業を振り返りながら労うというのだ。
群司令や首席幕僚や、他にもたくさんの人たちがカラスちゃんを労う。
カラスちゃん、愛されてたんだなぁって思ってしまいました。


そんなわけで、本日の画像はそんなシーンを撮ったもの。
86号機ちゃんに花を掲げているのが、館山航空群の群指令 で、昨日の雨の諸悪の根源www です。
司令は撮られなれているからか、根っからのエンターテイナーだからか、さすがお偉い方=気遣いさんだからか。
カメラマンの後ろでカメラ構えてる私たち(モニタ仲間の「もにりん」さん(仮名)もデジイチ構えて立ってましたw)の姿に気がついて、カメラマンが取り終えて退いた後も、私が撮り終えるまでそのポーズで待っていてくださいました。
なのに、カメラマンの写りこんでる画像を使ってすみません☆


この後には、みんなでお花つきカラスちゃんの前に集まっての集合写真の記念撮影会。
整備の人たち(と思われる)に至っては、機体の上に上がりこんでそこから笑顔をカメラに向けていました。そういうのがまた、イイなぁと。
それらが一通り落ち着いたあとは、我らモニタ仲間でも撮っていただき、さらにその後は広報室の皆さんも撮ってました。


格納庫の中でしゃちほこばった式典をするより、こっちのほうが私はイイなぁと思うけど・・・・でも本当はこの場に、私のような部外者がいないのが自然なんだろうけど。
南極の研究(支援活動)に多大な貢献をし、平時でも災害救難や人命救助なんかにも貢献して、自身は無事故のままで飛行時間の満了(と言うのかな?)をもって青空の下に。
たくさんの人たちに見守られながら、明るくさわやかで賑やかにファイナルを迎えられるってのは、とても素晴らしいことじゃないだろうか。
ちょこっとせつなくはあるけれど、笑顔でいられました。


「S―61Aは、1万9667トンの物資と6万7820人を輸送し、我が国の南極観測を支える中核だった。43年間、無事故で任務を終え・・・」

昨日の式典の時に、群指令が上記のようなことを述べられてましたが。
43年って・・・私の人生の約2倍(←殴☆)ですよ!
オギャーと生まれた子供が大人になって・・・下手すりゃ孫がいてるかもしれない、それだけの年月です。
カラスちゃんが運んだ人員は今の館山市の全人口より1万人以上も多いんですよ!


昨今、悪く言われたり思われたりすることの多い自衛隊にあって、カラスちゃんズは観測活動支援や救難だけではなく「広報」という面でも多大な貢献をしていたような気もします。
一際目立つカラリングに「カラス」という愛称はとても分かりやすく受け入れやすく。
タロジロやペンギンのイメージも手伝って、イメージ向上にとてもよかったんじゃないかな、と。
昨日のちびヤンの時、近くにいた一般のお客さん(全く見知らぬ親子連れ)たちともちょこっとそんなようなお話をしてみたりしたのでした。


まぁ、そんなわけで。またいつも以上にまとまりのない文章で恐縮なのですが。
感動してしまった今日の出来事。
PCサマのご機嫌の良いうちにエントリしてしまおうと思いましたので、こんな感じになってしまいました。


またちょっと余裕をみて、昨日のちびヤンネタや、その前のネタなんかもアップしていきたいと思いますです。


ともあれ。
長い間、お疲れ様でした>カラスちゃん&関係者の皆様
あなたたちの残した偉大な功績を勇姿を、忘れません。
ありがとうございました。



web拍手でツッコミや感想をを送る