しらせ最後の体験航海

しらせ搭載ヘリS-61Aカラスちゃん87号

砕氷艦というよりは、南極観測船というほうが通りのよいので有名な、海上自衛隊所属のAGB5002しらせちゃん。
本日、晴海から母港である横須賀の吉倉へと、最後(と思われる)体験航海に出まして、それに「館山基地モニタ」として、参加してきましたので、そのレポを。


基地に0640という、いつもなら余裕で爆睡かましてる時間帯に集合だったので早起きをしたのですが、0500の段階で我が家の窓には物凄い雨と風が吹き付けていて。
もうちょいしたら家を出なくちゃいけないのに、この雨と風、さらに昨夜見た天気予報では東京湾内でも2.5mの波浪とかなってて、それでも本当に体験航海やるんだろうかと不安になってしまう。
そこでひとまず館山基地広報に電話をしてみるが・・・やっぱり留守電。これじゃ情報収集できないよ〜と泣きそうになりながら、それでも中止の案内が来ない以上、行くしかなかろうと腹をくくり出撃準備。
着替えたりカメラにメディアや電池を入れたり、朝食の準備をしたりして車に乗り込むと、心なしか起きた直後より雨も風もおさまっているような・・・そして波も意外と(想像していたよりは)大したことないような気がして、ちょっとだけ希望が見えた気がし、景気付けに車内BGMは羞恥心の羞恥心w
ノリノリでGO!


そんなこんなで、基地まであと数分というところのコンビニについた頃には、傘がなくても問題ない程度の雨となり、風も気になるほどではなく。
お昼ご飯(持参するように事前に言われていた)にオニギリやおやつ(もちろん300円以内w)なんかを買い込んでから、モニタ仲間と連絡をとりあい、基地内へ向かう。
基地の正門では、事前に車の種類とナンバーが申請してあるので、窓をちょこっと開けて「基地モニタですが」と名乗ると、すんなり通過。
2格納庫脇の駐車場に車を停めると・・・すでに隣には他の基地モニタさんの車もあり、車内で何かモゾモゾやっている様子。
実は基地に入った直後くらいに、にわかに雨と風が強くなっちゃってたんだけど・・・そして駐車場界隈には担当の広報官の姿もないので、車内で待ってただけみたいw
私も待ってる間にカッパ(ゴルフウェアだけどw)を着込んだりカバンの整理をしたりして、準備が完了した頃に、見慣れた水色のマイクロ&見覚えのある兄さん&姉さんズが登場!
そそくさとバスに乗り込むと、すでに何人か(どうも、基地関係者さんらしい、ウチの親よりは年のイってそうなジェントルメ〜ンたちw)が乗り込んでいて。思っていたより大人数で行くんだろうなぁと思い至る。


ボチボチ時間ということで基地を出ると、まずは海岸沿いを走り、そんなに荒れてはいないが淀んだ海を見ながら、ロックシティの手前で右折。
X−JAPANのメンバーが祭りに参加することでも有名な八幡神社をかすめつつ、R127バイパスへ向かい、健人館という地元産の品々を扱うお店の前で、さらに数人の参加者と合流する。
実はこの時点で予定の時間より遅れていたのだが、さらにその時間になっても遅れている人があったようで、時間は少しずつ遅れつつも、全員が揃って出発!
まだ開通して間もない(と言ったら流石に大げさかw)館山道富浦ICから北上、ひとまずアクアラインを目指す。


車内ではとりたてて何か説明があるわけでもなく、もちろん初対面の方々がいても、紹介があるわけでもなく、たいてい隣同士が知ってる人なので、そこだけで盛り上がりを見せつつ、ひとまずつつがなく進んでいく。
そしてひとまずアクアライン海ほたるでトイレ休憩。
そしてこのとき、私らに弁当を用意して来いと言っていた広報官だけが弁当の用意がなかったことが判明☆ ちょっと、おねーさんwww


休憩から戻ると、自衛隊車両にはちょっとそぐわない、スターバックスの紙コップが運転席のドリンクホルダーに置かれていて・・・つい思わず写真を撮ってしまいましたw
本日1枚目の写真がそれって、どうなのよ、自分?!
そういや、時間は予定より遅れてるのにこんなとこで休憩していていいんだろうかと思ったが、極端に遅れてるわけじゃないし、その分、休憩も短かったからいいのかなぁとか思い、気にしないことにして再出発。
アクアラインから首都高速湾岸線に抜け(この辺は東京駅や羽田空港行きの高速バスで馴染んでる道☆)羽田空港の間を通るときは目を凝らして飛行機を見ながら(ちょうどスタフラ機が見えやすいところにいててラッキーでした。スタフラちゃんが見れた日はいい事があるって勝手にジンクス☆)、みんなを乗せたバスはさらに北上を続ける。
飛行機が見えるかどうかの辺りで、バスの中がにわかに賑わったのは・・・飛行機の基地の好事家代表(と言ったら失礼か?)だからなのかなぁとか、ちょっと微笑ましくなったりしてw


晴海に向かってるハズが、高速を降りたのはなんと新木場IC。ここから湾岸経由で晴海に向かうらしいのだが・・・道が混んでいて0900〜受付開始なのに、これじゃ間に合わないだろう感じが漂い始める。何人かは「こんなところより、もっと手前のICで降りればよかったのに」なんて言ったりしてたのですが。
私は私で「ちょwww このまま若洲海浜公園に連れて行かれたらどうしよう? もうミストラルちゃん、いないしw」とか思ってたりしてw


なんだかんだで0930頃に晴海に到着。
私らを乗せたバスは警備員のゲートを抜けて、しらせちゃんのすぐ前に用意された駐車場へと誘導されていく。


っつかさ。
しらせちゃんだよ、ナマしらせ!
車内から左前方にオレンジ色のデッカイ塊が見えた瞬間から高まる鼓動・・・ハイテンション!
これからあの子に乗せてもらって横須賀まで旅をするのさ〜なんて感じで。おそらく、目は輝きまくってたと思う。


バスから降りると、広報官のおねーちゃんから「芹沢さん、大丈夫ですか? ・・・撮りに行かなくてw」みたいな感じで声をかけられwww
せっかく許可も出たので、BRFもそこそこに、カメラ手にして艦首や艦尾を撮りに行く私w
そしてそれを生暖かく見守るモニタ仲間や広報官たちwww
・・・いや、だってさ。
艦尾側のアップって滅多に撮れないじゃん?
しかも帰国したばっかりだから、まだ砕氷の跡が残ってたりするハズなわけで・・・しかもこの先、もうここでこのショットは撮れないんだよ?
仕方ないじゃんw
それでも、私が先駆けたからなのか、その後に何人もの方がカメラ抱えて私の構えてた位置に立ち始めたりして・・・皆さんしっかり撮ってらっしゃったし。結果オーライ☆


そうこうしてるうちに、館山基地御一行サマも乗り込む順番が来て、いざ、8ヶ月ぶり(昨夏のちびヤン以来)にしらせちゃんの中というか上へ!
舷門すぐの通路は人で埋まっており、かつ、艦橋も人がたくさんいてて、すでに通路制限なんかもかかっていたりして。
公募していない&悪天候下のイベントでもこれだけ人が集まるとは、しらせもスゴイなぁと実感する。
ぼちぼちと通路に飾られた数々の楯や賞状を見たり撮ったりしているうちに、いきなり出港ラッパが鳴り響く。


・・・ちょwww


何の準備もしていないうちに、最後の体験航海は始まってしまったorz
しくじった感でいっぱいになりつつ、ひとまず艦橋を目指すが、時すでに遅し・・・艦橋はすでに入場制限がかかっていたので仕方なく、ちびヤン等では公開されていなかったハズの士官室でお茶を濁す・・・っつか、嬉々として撮りまくるw
ここではパンフやコーヒーも用意されてましたが・・・どっちも手をつけませんでした★


数少ない窓の近くは先客で埋まっており、これじゃ楽しくないので、艦橋をあきらめて飛行甲板に向かう決意をする。
しらせって、何度か見学させてもらってるけど、こんな深層部まで来たのって初めてだぜ〜とか思いつつ、指示されたとおりに通路を抜けて飛行甲板へ。
そうそう。今日の目的の1つは、しらせ上のカラスちゃんの堪能する事ってのがあったのさ!


しかして、飛行甲板にはカラスちゃんことS−61Aの姿はないのでありましたorz


カラスちゃん。
勝手に格納庫から出されてローター広げて展示されてるもんだと思い込んでたけど、その実態は格納庫(シャッター半開き)の中で、尻尾は折ってないものの、ローターはたたまれて地味に鎮座ましましていたのですた。
想定外。


乗り込んですぐは、まだ雨もポツポツ降ったりやんだりしてたのだけど、傘が必要なほどではなく(と言っても、元々フネの上で傘をさすようなダメ教育は受けてないけどさw)、羽田に発着する民間機を見たり撮ったりしながらしばしのまったりタイム。
そう言えば。
同行していたモニタ仲間の某さんは「こんな風景、すっごく違和感がある。非日常的だよね」なんて感想をもらしていたけど・・・ごめん、私ここ何度となく通ってるし、おそらく来月の今頃にも通るわ・・・とか思ってました。
あと、フネでトイレの初体験もした彼女は「トイレ流すのがバルブひねるようになってて、超おもしろかった」と言ってたけど・・・そういや、そうだよね、と。
あとさらに、フネおりちゃった後に「あんな急で狭い階段の昇り降りって大変だよね。垂直に近いじゃん」とも言ってたけど・・・しらせってそんなにハードだったっけ? とか思った辺り・・・感覚マヒしてるのね、私。


しらせちゃんの出港時刻は1000。
横須賀入港は1400の予定で、意外と長い。
これにはヘリ子さん(カラスちゃん2機)の発艦の手間ヒマも含まれているからなんだろうけど・・・この天気だし、今はそうでもないけど予報では2.5mの波だし・・・不慣れな人には厳しいんじゃないかなぁとか思ってたけど、某さんは大丈夫だったみたいです。
そして、そのカラスちゃんの発艦は1機目が1230、2機目が1250の予定であると、先に聞き出しておきました。
うわ〜い☆


天気がイマイチなので飛行甲板に人影は少なく、おかげで割りと楽に写真を撮ることができたのですが・・・せっかくなのでカラスちゃんに張り付き、同じくヘリに興味があるらしい見知らぬ人たちと一緒に係の兄さんに質問攻めをw
カラスちゃんの、S−61Aオリジナルと、HSS−2B改の、何がどう違うかとか、新カラスちゃんは現カラスちゃんと何がどう変わってくるのか、とか。寒冷地仕様って具体的に何をどう変えてるのか、とか。さよならカラスは3機とも揃うのか、とか。
後に、同じ場にいた館山モニタ仲間の殿方から「すっごいマニアックな質問ばっかりしてたね。僕、あれ、ほとんどわからなかった」みたいなことを言われてしまいましたが。
しかも、話を聞いてた係りの兄さんからも、すっごい詳しいねぇとか言われてましたが・・・ほとんど受け売りなんですぅ〜。聞いて来いって言われたことを、そのまま聞いて覚えてるだけで・・・理解しきれてるわけじゃないんですぅ〜〜という事を、一応ここでアピール(←誰に向けて?!)w


アクアラインの空気穴(違)をすぎた辺りだったか、ぼちぼちカラスの準備をするということで、1度飛行甲板から撤退を指示され、格納庫脇の左右の通路に移動させられる。
しかし、この時点で雨はやんでいたものの、フネが走ってるせいもあって風はそこそこ強く吹き、かなり寒い。
カッパを着込んでいたので、風をシャットアウトする効果はそれなりにあるものの・・・絶対的な寒さは如何ともし難く。しかも、合羽を着る=蒸れる=暑いというイメージで車にブルゾンを1枚置いてきてしまったため、寒さが身にしみる。
しかし、南極の寒さはこの比じゃないんだろうなぁとか思い、ムリヤリ自分をなだめてみたりw
そうこうしてるうちに、カラスちゃんを格納庫から引っ張り出すことになったのですが、ここで思いがけないトラブルがっ!


格納庫のシャッター仕切ってる柱が動かない!


しらせちゃんのヘリ格納庫は、3枚のシャッターで閉じられるようになっていて、イベントの時やヘリ等の出し入れの時にその支柱を折りたたんで上にあげちゃうことで、全通(?)にすることができるようになってるのですが。
突然、右の柱が動かなくなっちゃったらしい。
左の柱はちゃんと動いていたのだけど、右側がどうにも動かず、シャッターを上げ下げしなおしたり、ちょこちょこ整備の人が様子を見たりしていたようなのだけど、結局、ダメだったということで。
本当なら1機を引っ張り出した時点で、そこに人を入れちゃう予定だったのが、それナシになるかも・・・とのことですた。
まぁ結局、柱そのままでやっちゃったけどね。


カラスちゃん。
以前に晴海で、折りたたんで荷物まみれになってる状態の格納庫内部を見学させていただいたことがあるのですが(その時はまだ黒玉子ことOH−6も搭載してたw)、そして館山基地で間近に見たり触ったり、体験搭乗させてもらったこともあるのですが。
やっぱ、沖で飛行甲板の上で羽根(ローター)広げてるってのは、違うね!
すっごいトキメキ覚えまくりです。


そういや。
しらせちゃんの飛行甲板沿い(?)のフェンスは、自動で起きたり倒れたりできるんですね。
今まで見たことある他の護衛艦(DD&DDH)では人がいちいち手動でやっていて、なかなか倒れないところなんかは、身を乗り出して足蹴にして倒しているシーンを見たりもしてました。
この辺、南極という厳しい状況下で、人の少ないフネがやるのは大変だから省力化してあるのかなぁとか思ったんだけど。
実際、どうなんだろ?


結局、ヘリが引っ張り出されてきて、私ら見学者が格納庫に入れてもらえるようになったのは横須賀沖で・・・猿島やら赤灯台やら、見覚えありまくりな風景が目に見えるようになっていました。
風がそこそこあったみたいで(この時点ではもう格納庫内なので、自分じゃあんまり風がわからないのです)、しらせちゃんは発艦に相応しい風向きを選ぶため、グルグルとその場回頭をしてまして。
猿島や赤灯台が右に行ったり左に行ったり、こちらも目が回るんじゃないかっておもうほど目まぐるしく動いてました。


さてさて、いよいよカラス発艦になるのですが。
今日もう疲れた(をい!)ので、ここまでで1区切りにしちゃいますです。
続きはまた明日以降です。