しらせ最後の体験航海その3

しらせ飛行甲板に出されるS-61Aカラス

前回の日記では「しらせ体験航海」とは名ばかりで、実質「カラスちゃん最後の発艦」ネタばっかりになってしまいましたがw
正直、今回の体験航海は、それが1番の目的とも言えたので・・・ご理解とご協力(?)をお願いしますwww


さて。
カラスちゃんのいなくなった「しらせ」ちゃん。
母港である横須賀・吉倉港はもうすぐ目の前になっています。
そして飛行甲板にはすでに人の姿もまばらで・・・皆やっぱり目的は一緒だったのねぇとか思いつつ・・・ようやく落ち着ける時間になったとばかりに、モニタ仲間の某さんと合流し、左舷側、格納庫脇というか作業艇の下のところに陣取り、ようやくお昼ご飯となる。
まだまだ雲や靄は多いものの天候は落ち着き、結局この勝負(某・超雨男さんと私の勝手な覇権争い。雨男さんご本人がどう思っているかは知らないw)私の勝ちだな、とほくそ笑みつつ、格納庫の外壁に背をもたれさせつつ、朝コンビニで仕入れてきたオニギリを食す。
ちなみに、なんで左舷側に陣取ったかというと、言わずもがな・・・入港前にコメ軍基地を堪能するためであるw


「いや〜。ようやく落ち着いたね。あとはコメ基地の偵察して、入港するだけだね」
「え? まだ目的が他にあるの?」
「そうだよ。だからこっち側に来たんだもん」


自衛艦に乗ることそのものが初めてであるという某さんと、そんな会話をしつつ・・・食べかけのオニギリをカバンに投げ出し、にわかにカメラを手に立ち上がり手すり側に向かうワタクシ。


「あ、あたごちゃんだっ!」


左手前方(11時の方角)に、見慣れない艦影を発見。
イージス艦なんだけど見覚えがない=こんごう型でもコメ軍艦でもない=あたごクラスである。
カメラレンズの望遠をフルに活かして確認した艦番号は177・・・間違いない!
のほほんとオニギリ食べてる場合じゃない。
考えるより前に体は動いていたのだが・・・ひとしきり撮り終わる頃には周囲にも似たようにカメラ構えた人の姿が並んでいた。


このイージス艦あたごは、おそらく日本で1番有名な護衛艦(っつか、でも。イージス艦護衛艦の認識は低いかもですが★)である。
去る2月19日未明に房総・野島崎沖40km程の海域で勝浦市川津漁協所属の延縄(←ハエナワと読む)漁船と衝突事故を起こした、あのフネなのである。
以前から当サイトをご存知の方は承知の通り、私自身も房総出身・在住で、亡父は海上自衛隊に在籍の経歴があり、退役後には漁船を主な顧客とした弱電系の販売・修理を生業としていたのと、釣り好きでMY釣り船を持っていた関係で私も子供の頃から釣りとフネとに興味と親しみとを持っていたので・・・あの事故は非常に身近で複雑な気持ちにさせられたのであるが。
事故から丸2ヶ月。
前日の現場検証を除いてはずっと吉倉の岸壁に留め置かれていたものが・・・外海に向けて走っているのである。
一瞬、しらせ入港のために定位置を空けるために出港したのかと思ったのだが、その割にしらせとの距離は遠く、錨泊や回頭の素振りも見せないので、また現場検証にでも出るのかと思っていた。
しかしそれからほどなくして、北海道でお留守番中の友人からのメールにより、母港である舞鶴に帰港するための出港であったことが判明した・・・なんかどうも、ラジオのニュースでやってたそうです。


事故云々はさておき、あたごちゃん。
長崎で建造されたため、長崎を旅行した際に建造(され)中の姿を見たり撮ったりはしていたものの、就役後は接点がなく(6月に横須賀で一般公開があったのだが、その時は都合がつかずに見学に行くことができなかった)、今回のゴタゴタ(元々遠洋航海というかハワイに長期出向いていた後だし)で、当分はイベント等には参加しないだろうと思われた上に、動いていてかつ一般人を乗せていない艦影は、よほど運がよくなければムリだろうと思っていたので・・・これは僥倖である。
よく某氏たちが「1度で2度おいしいグリコ作戦」なんて言って、1日で複数のフネ等を撮るために走り回っているが(って、私もそれに何度か同乗と言うか便乗させていただいてますがw)、フネに乗ってるだけでいろいろ楽しめるんだから、これはイイね☆
最後と最初を捕らえることができました。ありがとう、しらせちゃん!


それから入港までのわずかな間に残ったオニギリを平らげると、次はモニタ仲間の某さんも手すりまで出てきて、コメ軍基地のピーピング・・・もとい、風景を楽しむこととなる。
左手には丘陵地に広がる住宅街、少し進むと沿岸には軍の船艇が見えてきて、さらに奥まで進めば、灰色の大きなおフネちゃんたちが見えてくる。
私にとってもまだ見慣れたとは言えないものの、それでもようやく馴染んできた光景ではあるが、某さんには何もかもが初めて。
そこで私の持てる限りの知識で説明をするんだけど・・・しょせん私もコメ軍は専門外で某B氏の受け売り程度しかわからないが、それでも某さんには喜んでいただくことができた。


当日にはとても書けない内容だけど、もう「過去日記」化してるので大丈夫だろうと勝手に判断して、停泊していた艦船をわかる(覚えてる)範囲で書き出すと。
●ブルーリッジちゃん。(USS Blue Ridge, LCC-19)
第7艦隊の旗艦であり、昨12月の横須賀グランドイルミネーションに係る基地一般公開の時に、すぐ近くまで行って見ることができた。
●DDG56 ジョン・S・マッケイン(John S McCain)
こちらはコメ軍アーレイバーク級の駆逐艦で、イージス艦
この名前・・・ミリタリに興味なくても聞き覚えのある方は少なくないんじゃないかと思うんですが・・・そう。2008年のアメリカ大統領選挙共和党の候補者の1人と同名なのである。
気づいてはいたが詳しくは調べていなかった私ですが、コメ軍好きのお留守番兄さんに後で電話で聞いてみたら、候補者の祖父にあたる方の名前がつけられたものなんだそうで・・・親子3代で同じ名前で同じNAVY(しかも仕官・・・っつか、初代は大将、2代目は提督までなったらしいよ☆)という素晴らしい家系なんだそうです。
ちなみに昨夏に見学させていただいたフネでもあるのですが・・・すっかりその事実を忘れていました★
●カーティス ウィルバーちゃん(USS Curtis Wilbur, DDG-54)
前回の観艦式(横須賀隊の展示訓練だったかも)の時に、私の乗っていたフネのすぐ後ろを横切ってくれたので艦番号を覚えることができたフネです(どんな説明www)。
こちらもアーレイバーク級。
思えば先週の今頃、横須賀の高いところから基地をピーピングしていた時に、出港というか繋留替えをしていたのもこの子でした。
あの日はフランスのフネ撮りに行ったついでに帰国前(w)の「しらせ」を見て、その足(上述のグリコ作戦の延長)でこの子を見ていたので・・・ある意味、運命?!
こちらは、修理だか改装だかの最中で、あられもない姿になっていましたwww
●カウペンスちゃん(USS Cowpens, CG-63)
こちらもまた、最近あんまり嬉しくない経緯で艦名が世間に知れ渡ってしまった、ちょっと可愛そうなフネなのですが。大根だろが・・・もとい、タイコンデロガ級
この子もグランドイルミの時にお世話になったし・・・その前。約2年前に小樽でお会いしていた子なのでした。
空母キティホークが艦番号が63で、カウペンスちゃんの艦番号も63。それが揃って小樽に入ったのを見に行ったので、記憶に残りやすかった(ので艦番号と名前を一緒に覚えられた)のでした。
ラッセルちゃん (USS Russell, DDG-59)
これは数字だけ覚えていて、帰宅してから名前を調べました。
アーレイバーク級だそうです。
●ステザムちゃん (USS Stethem, DDG-63)
たぶん見た・・・と思う。ちょっと自信ない。
これまたアーレイバーク級なんだけど、この子はミサイル防衛対応になってるらしい。他と比べてどこがどう違うのかわからないんだけど、きっと見る人が見ればわかるんだろう。
こちらも63なのにキティと一緒に覚えることができなかったので、今日を機会にマスターしたいです。
●マスティンちゃん (USS Mustin, DDG-89)
いつもヴェルニー公園から見える位置にいてる子なのですが・・・こちらもアーレイ・バーク級のミサイル防衛対応艦なのだそうです。
●その他
艦名どころかクラスも不明な潜水艦(ちゃんとコメ軍)が、しらせ入港(接岸)とほぼ同時に出港準備を始めたりとか。
海自の潜水艦もいつもの場所にいつものようにいてたりしました。
他にも見たけど、覚えていないし、写真を見ても判断つきかねるので後は割愛ですw


なんでこんなにコメ軍艦を解説付で書き出しているかというと・・・誰かに説明することで記憶は定着し易くなるらしいからですw
それでも多分、半月後にはほとんど忘れてそうな気がしますがw


ちなみに。
しらせの入港ラッパが鳴ったあたりから、我ら館山基地モニター隊は飛行甲板に集合がかかり、広報官らと話をしながら全員が揃う&下艦準備が調うのを待っていたのですが。
広報のセーラーの兄さんから「あの63ってフネは何ですか?」とか聞かれ「容疑者が乗員だったって言う事件で有名になったカウペンスちゃんですよ」と教えると「あぁ、なるほど!」とかって納得いただくことができたのですが。
現職の人でもコメ軍の、しかもフネ(館山基地は海自だけど航空部隊だからね)は、わからないものなんだなぁとか変な感心をしたのですが。
ついでに、モニタ仲間の方から「すっごい解説ですねw ウンチクがwww」とかってお褒めの言葉(と思いたいw)もいただきました。


ちと話は前後しちゃいますが。
カラスちゃんの発艦準備中に、カラスの向こう(艦尾側)に知ってるけど見慣れない艦影が航行しているのを視認していたのですが・・・その時点でたしか4202だったような・・・と思っていたら、そのフネはY4と呼ばれるバースにつけていました。
呉のフネ(のハズ。最近の艦艇の動向というか部隊編成を把握していないので断言できない)なのですが、どうやら私らより一足早く入港していたようで・・・ちなみに訓練支援艦「くろべ(ATS-4202)」という子です。
何か資料ないかと思ってググったらたまたまお友達のページが出てきたのでリンクw こちらを参照してください。
あと、さらに。
入港の直前に、見慣れたイージス艦の艦影を発見。
こちらはDDG174きりしまちゃんで、なんかどうも入港してきそうな気配(母港は横須賀のハズだし)。



Y1(最もヴェルニー公園寄り)に入船(艦首は進行方向に向けたままの状態)で入ったしらせちゃんですが。
岸壁を挟んで隣の岸壁であるY2にはDD107、護衛艦いかづちちゃん、その隣には補給艦ときわちゃん(AOE423)が目刺しで繋留されていて。
さらにその向こうの岸壁Y3にはDD102はるさめちゃん、その岸壁を挟んだ向かいのY4には海洋観測艦AGS5103すま&試験艦くりはまちゃん&前述のくろべちゃんが入っていたのでした。


私の知る限りで。
横須賀は今、DD101むらさめちゃんがインド洋に派遣中。
DD110たかなみちゃん、DD111おおなみちゃん、DDH143(これもアレな理由で有名になっちゃったよね★)しらねちゃんらはIHIMUにてドック入り中なので・・・4隻が不在。
EF(艦隊)集合が佐世保であったので、おそらく何隻かはそちらに行ってるだろうし・・・きりしまちゃんはまだ沖にいてるし・・・吉倉、ガラガラでも不思議じゃないんだよね。
んでも、先日のグリコ作戦の時はDD103ゆうだち(104きりさめだったかも)&DD105いなづまちゃんもいてたんだけど。これもEF行ってるかもしれないしなぁ・・・。
そんな納得を勝手にしていると、今度はメインの広報官であるおねーちゃんが「芹沢さん。あのフネは何ですか?」とY2を指して聞いてきた・・・ちょwww


コメ軍はともかく、海自は知らないとマズいでしょ?
知らないのはまだしも、それを仮にも「広報」の人間が部外の者に聞くのってどうなのよ?!
しかも、自分だっていろいろ関係あるトコでしょ、横須賀なんて・・・。


そうこうしているうちにモニタが集合し、記念撮影を何台ものカメラで何回もにわけて行い(w)、しまいにゃビデオまわしながら「はい、チーズ☆」なんて天然の大ボケで皆を和ませる人が現れたりしながら・・・ついにしらせちゃんを降りる時が来てしまった。
ん〜、名残惜しい。
そういや、後で艦内の案内をしてあげるねと某さんに言ったのに、結局ずっと上甲板にいてたのでそんなヒマなかったなぁとかいうことを今さら思い出したり、まだあれもこれも見てないよぉ〜という未練とか後悔がこみ上げてきたりしましたが。
さっとあきらめて(意外にもすんなり気持ちの切り替えできました)、フネを降りることになりました。


以上で「しらせ最後の体験航海」は終わるのですが。
「遠足は家に着くまでが遠足です」ってなわけで、もうちょい続きますw